イオンの関連会社で警備業の「イオンディライトセキュリティ」(大阪市)の男性社員(52)が宿直の仮眠は労働時間にあたるなどとして、未払い残業代などの支払いを求めた訴訟の判決が17日、千葉地裁であった。小浜浩庸裁判長は「労働からの解放が保証されているとは言えない」として、原告の請求をほぼ認め、未払い残業代と付加金の計約180万円を支払うよう同社に命じた。
出典:Yahoo!News
休憩でも勤務時間にカウントされる=給与発生?!
むかーし昔のつい最近、夜勤という参勤三勤交代をやっていた時があったのですが、そんときは仮眠すらなーったのですよ!無い無し。
その代り机の上で、エア業務しながら白目向いていました。
原告や裁判長のコメントで、
原告側は「仮眠時間でも制服を脱がず、異常があった際はすぐに対応できる状態を保ったままの仮眠で、業務から解放されなかった」と主張。小浜裁判長は「仮眠時間や休憩時間も労働から解放されているとは言えない」と指摘した。
あまーりこの辺りは、浸透していないような気がしなくもない。徹夜だろうが休憩だろうが、「すぐ業務に就ける状態は労働から解放されていない」⇒「労働」という概念を企業も労働者である私たちも理解していない。
もっとも、寝ているだけで給与が発生しているというわけではないのだから。何かあれば駆けつけしないといけない。業務として拘束されているのであるから。
こうなると、何か問題があれば昼もすっ飛ぶし、いやな上司の使いあい飯するので、昼休みも労働として欲しいのが本音( ´∀` )
ほらほら、会議中に昼寝している国会議員ても議員報酬出ていますしね。
どうせなら、会社の業電持っている間は待機なので、こちらも業務時間とならんのかしら(笑)家に帰れるので、業務外と言えば業務外なんですが、呼ばれたら対応しなければならない。。
あと長い移動の出張時間も。
東京ー大阪でも楽に3時間は移動に要しますからね。(2時間半は乗っている時間)
労働に関してはまだまだ恥ずかしいくらい後進国
もっともなところ、普通の昼間勤めでも「みなし残業」を盛大にアホ解釈しまくって、みなし残業適用時間を必死に労働させている会社が多数あります。まずはこれらを一掃しないといけません。
労働時間とは,「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」のことであるのは、三菱重工業長崎造船所事件判決(最一小判平成12年3月9日)にて判決が出ています。
さらに最一小判平成14年2月28日・大星ビル事件判決では、
「労働者が実作業に従事していない仮眠時間であっても,労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には,労働からの解放が保障されているとはいえず,労働者は使用者の指揮命令下に置かれているものであって,労働基準法32条の労働時間に当たる」
「ビル管理会社の従業員が従事する泊り勤務の間に設定されている連続7時間ないし9時間の仮眠時間は,従業員が労働契約に基づき仮眠室における待機と警報や電話等に対して直ちに相当の対応をすることを義務付けられており,そのような対応をすることが皆無に等しいなど実質的に上記義務付けがされていないと認めることができるような事情も存しないなど判示の事実関係の下においては,実作業に従事していない時間も含め全体として従業員が使用者の指揮命令下に置かれているものであり,労働基準法32条の労働時間に当たる」
と判決されています。
つまり、不活動時間での睡眠でも、労働から解放されていることが保証されていない場合は、使用者の指揮命令下に置かれていることになるので、勤務時間に該当するということなのです。
労働基準法では、労働に向けて待機している時間は労働時間だと書かれています。労働など基本的なことで揉めているのは、まだ心が卑しい国なのかもしれません。