国民生活センターが13日に公表したレポートによると、格安スマホと呼ばれるMVNOや中古スマホ、そしてその使用でトラブルが増えているそうです。
近年、いわゆる“格安スマホ”等の携帯電話を利用する消費者が増えていますが、全国の消費生活センター等には、これらの“格安スマホ”に関するトラブルが増加しています(図)。相談内容をみると、今までどおりのサービスが安く受けられると思っていたのに、実際はサービス内容等が違っていたというトラブルが目立ちます。
格安スマホ会社の料金設定は比較的安価であり、消費者にとっては、自分の利用実態に合わせより多くの契約先から選べるようになりましたが、今まで契約していた携帯電話会社と違う点もあるという特徴を理解して利用することが重要となります。
MVNOを今までの大手キャリアと同じとみてしまっている
相談件数の推移から見れるように、前年度から比べると実に2.8倍の件数となり、MVNOの契約が増えると共に、従来の感覚で契約をすると、使えないと間違って思ってしまうようです。
そもそも「格安スマホ」というのは、大手通信キャリアであるドコモ・au・ソフトバンクから回線などの通信設備を借りてサービスを提供する通信会社のことを指しています。
言い方はいろいろあり、「格安スマホ」とか「格安SIM」と呼ばれていますが、これらを総称すると、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)という会社なのです。
国民生活センターでの格安スマホ定義
格安スマホ会社では、自社で回線設備等を持っている電気通信事業者の回線を利用もしくは接 続して、自社のサービスとして消費者に携帯電話サービスや無線インターネットサービス等の移 動通信サービスを提供しています。通信設備を維持する必要がないことや、インターネット等の 通信販売のみで実店舗を持たずに営業したり、提供するサービス等を限定する等、様々な方法で 運営コストを抑え、消費者に比較的安価な料金でサービスを提供しています
あくまでも回線はそのキャリアの設備を利用しているだけで、サービスそのものはそのMVNO会社が提供しているものであり、また料金が安くなる代わりに、今までの大手キャリアで行っていたサービスとはかなり異なるのです。
どうしても今まで使っていた大手キャリアの細かいサービスと比べてしまいますが、ほとんどはないか有料となっているので、その差がクレームの大半になっています。
MVNOというのは通信設備を借りて無駄を省いたサービス
ざっくり行ってしまうと、今まではSIMや携帯やスマホをセットで購入していましたが、MVNOと呼ばれている会社はSIMのみの提供で、スマホなどの通信機器は利用者自身が用意することとなっています。
もちろんその設定も自分で行います。それじゃーすぐに使えなくて不便じゃん、と思われますが、諸外国ではそれが普通で、日本のように通信契約とスマホがセットになって「契約」することは、どちらかというと「マイナー」なのです。
逆にそういったアフターサービスを省いたり、必要な人には有料で提供することによって、月々の料金が抑えられて安くなっているということを理解しておきましょう。
MVNOを使うのははじめだけでそれほど難しくはない
このように書いていると、MVNOは難しいと思ってしまいますが、ほとんどの場合はAPNとパスワードさえ設定できれば、それほど難しいということはありません。特にiPhoneの場合はプロファイルという設定ファイルを読み込ませれば使えます。
あとは、MVNOが提供しているのが、大手キャリアのどの会社であるかがわかっていれば、使える端末は自ずとわかってきます。キャリア端末は自社回線しか使えないようにロックしているので、ドコモ回線であればドコモ端末であれば問題ありません。
もっとも日本のAppleStoreで売っている「SIMフリー」端末であれば、ドコモ・au・ソフトバンクどれでも使えるので、機種制限については気にすることがありません。
最近では、ヨドバシカメラやビックカメラなどの大手量販店の中で、直接申し込めるMVNOキャリアがあります。もし不安であればこちらで契約すると、不明な個所は教えてもらえるので、ちょっと不安のある方は、こちらから申し込むのも一考です。
また一部ですが、MVNO各社もこういった初心者層のために、まだ都市部が主ですが、MVNO自身でキャリアショップを開店させています。
MVNOはやはり月々の料金は安いのですよ
逆に言えば、自力で設定ができてしまえば、あとは普通に通話やネットができてしまうので、手厚いサービスは不要!という方には、月々の料金はかなり抑えられます。格安スマホや格安SIMといったMVNO携帯会社を用いるのは、こういった月々の生活費に対するコストダウンなれるのです。
だって今まで大手キャリアには7000~1万円近く支払っていた料金が、MVNO通信会社に変更すると、2000~3000円前後で利用できてしまいますからね。端末代を入れても、2年間トータルでは大手キャリア契約より安くなるケースが多いです。
さらにLINEなど、データ通信だけできればいいっていう場合は、1000円前後から利用できます。(月500円以下のもありますが、ネットを見るレスポンスが遅すぎなので勧めしません)
そうなると、今まで不必要なものにお金払っていたのだな~とわかってしまいます。最初の設定さえできてしまえば普通に使えるので、あまり気にしないのが一番だと思います。